介護施設で仕事をする際には、要介護度の高い高齢者を介護することが少なくありません。
要介護度が4や5など重度の要介護者をケアする時には、特に注意が必要です。
まず、重度の要介護者は身体機能が著しく低下しているケースが多く、自力で無理に立ち上がろうとして転倒などの事故が起きないよう気を付けましょう。
身体が不自由で歩行困難な状態だからといって、本人が常に安全確保を心がけているとは限らないため、移動介助の際など安易に目を離すことは好ましくないのです。
完全な寝たきり状態の場合は、体位変換を忘れないようにします。
体位変換は2時間に1回程度必要で、うっかり怠ると血行障害を引き起こし、心肺機能の低下に繋がるおそれがあるのです。
要介護度の高い高齢者を介護する機会も多くある介護施設での仕事において、体位変換は基本の介護業務といえるでしょう。
また、認知症に罹患している高齢者に対しては、声かけなどのコミュニケーションに慎重な姿勢が欠かせません。
重度の認知症だとほとんど幼児のような振る舞いをすることもあるため、つい子どもを叱るような声かけになりがちです。
しかし、介護スタッフはこうした尊大な態度を避けなければなりません。
タメ口や幼児言葉で話しかけることは、高齢者の尊厳を傷つける行為です。
また、重度の認知症患者であっても、時々混濁していた意識が改善され、ふと我に返ることがあるのです。
意識が正常に戻った時に、たまたま介護スタッフからタメ口や幼児言葉で話しかけられたら、非常に屈辱的に感じるでしょう。
したがって、どんな時も目上の人に対する敬意の念を持って高齢者に話しかけなければなりません。